現時点で、「5-ALAを飲めば1型糖尿病や2型糖尿病が完治する」と断定することはできません。5-ALAは、糖代謝やミトコンドリア機能に関わる成分として研究されており、糖尿病治療を補助する可能性が検討されています。実際に、5-ALAと鉄成分であるSFCを組み合わせた臨床研究では、2型糖尿病患者において安全性や血糖関連指標の改善傾向が報告されています。
一方で、私たちの研究では、糖尿病が治りにくい背景として、骨髄の中に残る異常な細胞、いわゆる「糖尿病幹細胞」に注目しています。マウス研究では、インスリンとHDAC阻害剤を一時的に組み合わせることで、治療終了後も正常血糖が維持される結果が報告されています。
5-ALAは、この根本治療研究につながる候補の一つとして注目されていますが、糖尿病の完治を目的とした治療法としては、今後さらに治験で検証する必要があります。
なお、現在日本国内で一般に販売されている5-ALAサプリメントは、医薬品ではなく健康食品として扱われます。米国で承認されている5-ALA塩酸塩製剤は、糖尿病治療薬ではなく、悪性神経膠腫の手術中に腫瘍を可視化するための光線力学診断用の医薬品です。

