
FROM ADDRESS TO DELIVERY
Biozipcode™で見つけた「住所」を、
実際の治療へつなげる。
Biozipcode™の研究では、特定の細胞や組織に結合するペプチド配列を探索し、それを「細胞の住所」のように利用することを目指しています。
しかし、住所を見つけるだけでは治療にはなりません。
その住所へ実際に薬を届けるためには、どこへ届けるのかと何を届けるのかとどのように運ぶのかを一体として設計する必要があります。
私たちは、細胞標的化技術を次の3つの要素から構成しています。
ADDRESS
標的細胞を識別する
Biozipcode™を利用して、治療対象となる細胞や組織を認識します。
PAYLOAD
治療用分子を選ぶ
薬剤、遺伝子、siRNA、核酸、タンパク質、標識分子など、目的に応じた治療・診断用分子を選択します。
VEHICLE
標的まで運ぶ
ウイルスベクター、人工ベクター、ペプチドベクター、ポリマーなどを利用し、標的細胞まで治療用分子を運びます。
このAddress × Payload × Vehicleの組み合わせが、細胞標的化技術の基本となります。
細胞標的化技術およびBiozipcode™は研究開発段階の技術です。標的細胞への選択性、薬物送達効率、体内分布、安全性、治療効果は、使用するペプチド、薬剤、ベクター、投与方法等によって異なります。
本ページで紹介する研究には細胞・動物モデルを用いた基礎研究・前臨床研究が含まれており、ヒトにおける有効性・安全性を保証するものではありません。臨床応用には、十分な非臨床評価、CMC・品質評価、倫理審査、臨床研究および各国規制当局による承認が必要です。
BEYOND MOLECULAR TARGETING
分子標的から、細胞標的へ。
現在、多くの新薬では特定の受容体、酵素、タンパク質などを狙う「分子標的」の考え方が用いられています。
分子標的治療は非常に重要な技術ですが、同じ分子が正常細胞にも存在する場合、正常組織にも薬剤が作用する可能性があります。
細胞標的化では、
特定の分子だけではなく、
その分子を持つ「細胞そのもの」を識別する
という考え方を取ります。
Biozipcode™候補を利用し、治療対象となる細胞への結合性を高めることができれば、薬剤の標的外曝露を抑え、治療効果と安全性のバランス、いわゆるtherapeutic indexの改善につながる可能性があります。
PREVIOUS PROOF OF CONCEPT
細胞標的化を支えるこれまでの研究
細胞標的化技術の研究基盤には、神経系を中心とした複数の実証研究があります。
DRG標的ペプチド
ファージディスプレイを用いて、後根神経節(DRG)ニューロンへ結合する複数のペプチド配列が同定され、in vitroおよびin vivoでの結合が評価されました。
DRG標的遺伝子送達
標的ペプチドをウイルスベクターへ組み込み、DRGにおける遺伝子発現を高める研究が行われました。
脊髄ホーミングペプチド
in vivo phage displayを用いて、循環血液から脊髄へ到達するペプチド候補が探索されました。
ミクログリア標的siRNA送達
脊髄内のミクログリアを標的とするペプチドとsiRNAを組み合わせ、神経障害性疼痛モデルにおける治療応用が検討されています。
これらの研究は、「標的ペプチドを見つける」→「ベクターへ組み込む」→「治療用分子を届ける」という細胞標的化の一連の考え方を支える研究基盤となっています。
APPLICATIONS
細胞標的化技術が目指す応用領域
DIABETES
糖尿病幹細胞
糖尿病の難治性に関与すると考えられる異常な造血幹細胞群を識別するBiozipcode™候補を探索し、バイオマーカーと細胞標的治療の両方への応用を目指します。
ONCOLOGY
がん細胞
正常細胞への結合を比較・除外しながら、がん細胞へ選択的に結合するペプチド候補を探索します。将来的には、抗がん剤、核酸、遺伝子等をがん細胞へ届ける技術への応用を目指します。
NERVOUS SYSTEM
神経・疼痛
DRG、脊髄、ミクログリア等を対象とした既存研究を基盤に、神経系への選択的な遺伝子・核酸送達技術への応用を研究しています。
REGENERATIVE MEDICINE
組織再生
細胞を認識するペプチドをバイオマテリアルへ付加し、必要な細胞の接着・誘導を促すことで、組織再生を支援する医療材料への応用を目指します。
THREE DELIVERY APPROACHES
3つの送達アプローチ
研究では、Biozipcode™をさまざまな送達システムへ応用することを検討しています。
01 TARGETED VIRAL VECTOR
ウイルスベクター

ウイルスベクターは、遺伝子を細胞へ導入するための技術です。
ベクター表面などに標的ペプチドを組み込むことで、特定の細胞や組織への指向性を高めることを目指します。
過去の研究では、後根神経節(DRG)を標的とするペプチドをhelper-dependent adenovirus vectorへ組み込み、感覚神経への遺伝子送達を高める研究が行われています。
02 TARGETED ARTIFICIAL VECTOR
人工ベクター

非ウイルス性の人工キャリアにBiozipcode™を付加する方法です。ナノダイヤモンドやカチオン性ポリマーなどを利用した人工ベクターと、標的ペプチドを組み合わせる研究があります。
人工ベクターには、
- 化学的に設計しやすい
- 搭載する分子を変更しやすい
- ウイルスを使わない送達系として設計できる
といった特徴があり、目的に応じて薬剤・遺伝子・核酸等を搭載することを検討します。
03 TARGETED PEPTIDE VECTOR
ペプチドベクター

標的ペプチドと、核酸などを運ぶ機能性ペプチドを直接組み合わせる方法です。
過去には、脊髄やミクログリアを標的とするペプチドとsiRNAを組み合わせ、神経障害性疼痛モデルに応用する研究が行われています。
これらの研究は、短鎖ペプチドが単なる標識ではなく、治療用分子を標的細胞へ運ぶための機能性リガンドとして利用できる可能性を示しています。

REDUCING OFF-TARGET EXPOSURE
副作用を「なくす」のではなく、
標的外作用を減らすことを目指す。
細胞標的化技術の重要な目的の一つは、治療対象ではない細胞への薬剤曝露を抑えることです。
標的細胞への選択性が高まれば、
- 正常組織への影響を抑える
- 必要な部位での薬剤濃度を高める
- 全身投与量を最適化する
- 既存薬のtherapeutic indexを改善する
といった可能性があります。
一方で、細胞標的化を行えば必ず副作用がなくなるわけではありません。
実際の安全性は、
- 標的ペプチド
- キャリア
- 搭載薬剤
- 投与量
- 投与経路
- 体内分布
- 標的抗原・受容体の発現
などによって変わります。
そのため株式会社バイオジップコードでは、「副作用のない薬」ではなく、「標的外作用の低減を目指す技術」として開発を進めます。

CELL-TARGETING PLATFORM
一つの薬ではなく、
多様な治療へ応用できるプラットフォームへ。
細胞標的化技術の特徴は、特定の一つの医薬品だけに限定されないことです。
- 標的細胞を変える。
- Biozipcode™を変える。
- Payloadを変える。
- Vehicleを変える。
この組み合わせによって、異なる疾患・異なる治療技術へ展開できる可能性があります。
私たちは、
Biozipcode™による細胞識別
+
DDS・Vectorによる送達
+
薬剤・遺伝子・核酸等の治療分子
を組み合わせることで、細胞標的化を一つの創薬プラットフォームへ発展させることを目指します。










