糖尿病幹細胞研究を、ヒト末梢血のバイオマーカーへ。

小島秀人らが参加した研究グループによる、2型糖尿病患者の末梢血中に存在する異常なCD34陽性細胞集団に関する研究論文が、学術誌「Practical Laboratory Medicine」に掲載されました。

これまでの糖尿病モデルマウス研究では、CD106、TNFα、proinsulinを発現する異常な造血幹細胞・前駆細胞群が、糖尿病やその合併症に関与する可能性が研究されてきました。本研究は、この研究仮説をヒトの末梢血解析へと発展させたものです。

2型糖尿病患者の末梢血で、特徴的な細胞集団の増加を確認

本研究では、2型糖尿病患者12名と健常者10名の末梢血を比較しました。その結果、CD106・TNFα・proinsulinの3つのマーカーを同時に発現するCD34陽性細胞集団(CD106⁺TNFα⁺proinsulin⁺CD34⁺細胞)の割合が、2型糖尿病患者で有意に高いことが示されました。

また、この細胞集団の割合はHbA1cと有意な正の相関を示し、慢性的な血糖状態との関連が認められました。

糖尿病に関連する「細胞の状態」を評価する、新たな可能性

今回の成果は、血糖値やHbA1cによる評価に加え、糖尿病に関連する異常な細胞の状態を末梢血から捉える、新たな細胞バイオマーカーの可能性を示しています。

株式会社バイオジップコードは、本研究を、当社が進める糖尿病幹細胞バイオマーカーおよび将来的なコンパニオン診断の研究につながる科学的基盤の一つと位置づけています。

本研究は少人数を対象とした探索的研究であり、この細胞集団の臨床的有用性を確立するためには、より大規模な患者集団での追加検証が必要です。当社は、こうした科学的検証を重ねながら、糖尿病の病態理解と新たな診断・治療技術の研究開発を進めてまいります。

 

掲載論文

Aberrant peripheral blood CD34+ subsets as a candidate cellular biomarker for type 2 diabetes mellitus
(2型糖尿病の細胞バイオマーカー候補としての異常な末梢血CD34陽性細胞サブセット)

著者:Itsuko Miyazawa, Junko Okano, Natsuko Ohashi, Kazunori Fujino, Miwako Katagi, Shinji Kume, Hideto Kojima
掲載誌:Practical Laboratory Medicine. 2026;51:e00548.
DOI:10.1016/j.plabm.2026.e00548

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